飲食店開業に必要な資金まとめ

飲食店を開業する場合、予定より資金がかかることが多いようです。開業にあたっては想定外の費用が発生しやすく、資金計画を立てることがいかに難しいかを物語っています。開業準備が進んだ段階で予算を超過することがわかると資金繰りに時間と労力をとられ、肝心の店舗経営に手が回らなくなるため、あらかじめ予算計画を綿密に立てておかなければなりません。本記事では開業時に必要な経費を一覧にまとめましたので、資金計画の参考にしてください。
飲食店開業資金の計算方法

①物件取得費

(1)造作譲渡料

造作譲渡料とは、居抜き物件の場合、内装や備品、厨房機器などを前オーナーから購入する費用です。前オーナーが残していったものについては、欲しいものを選んで購入することができます。
退去時に物件をスケルトン状態(利用する前の状態)に戻すことを条件として店舗の賃貸契約を行うことが一般的ですが、撤去料をかけるよりも次のオーナーに内装などを買い取ってもらったほうが、コストを浮かす意味でも得になります。
また、開業にあたって一から内装や厨房機器、備品類を購入するよりも買い取ったほうがかかる費用が安くすることができます。ただし、好立地であったり、以前は繁盛していたお店であったりした場合は買取り費用が高くなる場合があるため、一から揃える場合にいくらかかるのか、事前に見積もりをしておく必要があります。

(2)保証金・敷金

保証金とは、店舗を借りる際に大家に預けるお金のことです。相場は家賃の6〜10ヶ月程度が多く、立地によっては20ヶ月分、また1〜3ヶ月分の場合もあります。 保証金・敷金は退去時に返還されるものであるため、大家の直接収入にはなりません。そのため、交渉により減額される余地のあるものです。開業初期にかかる費用の中でも大きな割合を占めるものになるため、可能であれば引き下げ交渉をしてみましょう。
注意しておく点は「保証金の償却」が発生する物件があることです。例えば保証金の償却年1%となっている場合、保証金の1%が1年ごとに償却されることになります。借主にとっては不利な条件のため、契約時に外してもらえないか交渉してみる必要があります。

(3)礼金

礼金とは、契約時に大家に対して支払う費用です。保証金・敷金とは違って返金されません。通常、家賃の1〜2ヶ月が相場として多いようです。礼金を必要としない物件も最近は増えています。

(4)仲介手数料

仲介手数料とは、仲介業務に対する報酬として不動産業者に支払う費用です。家賃の1ヶ月というケースが多いようです。仲介業者を使わない場合は仲介手数料は必要ありませんが、大家とよほど強い関係があるか、自分に不動産知識がある場合でない限り、不要なトラブルを避けるためにも仲介業者がいたほうが安全です。

(5)前家賃

前家賃とは、入居する前に大家に支払う家賃のことです。通常、家賃は前の月に次の月の家賃を支払います。いま10月だとすれば、11月分の家賃は10月中に支払います。店舗物件の場合、一ヶ月分の家賃は大きいため、前家賃の存在を忘れていると事前の資金計画を大きく変更する必要が出てきます。

この他にも、預かり金や手付金といった費用が発生することがありますので、物件取得費を考える場合には事前にかかる経費をもれなく確認しておきましょう。

②店舗設計・工事費

(1)内外装費

内外装費とは、内外装工事にかかる費用のことです。スケルトン物件か居抜き物件か、また店舗の地域や業態によってもかかる費用の目安は変わってきます。 内外装費は、かかる費用の中でも最も変動幅の多い項目です。とくに追加費用が発生することが多く、実際に営業を始めてみてわかることもあります。そのため、当初想定予算から10%程度多めに計算に入れておいたほうが無難です。

(2)設計・デザイン費

設計・デザイン費とは、デザインや設計を専門の業者に依頼する場合の費用のことです。依頼する先の業者や設計士によって料金は変わります。複数の設計、デザイン業者に問い合わせをして、見積もりや内容を相談してから一番条件の良いところを選ぶ必要があります。

(3)厨房設備費

厨房設備費とは、冷蔵・冷凍庫、ガスレンジ、フライヤー、シンク、食器洗浄機など厨房で使用する設備一式のことです。新品もしくは中古で購入します。メンテナンスや使い勝手のことも考えると新品のほうが結果として「高くつく」ことがあるため、事前に計算に入れておくようにしましょう。

(4)家具、什器、備品類購入費

家具、什器、備品類購入費とは、テーブル、イス、棚、レジカウンター、食器類などの購入費用です。一括して購入すると安く済ませることも可能ですが、お店のコンセプトに合ったものやこだわりのもので揃えたい場合、費用が高くなってしまうことがあります。

(5)レジ、券売機など

レジとはPOSレジから簡易的なレジスターまでを指します。簡易的なレジスター、いわゆるガチャレジでは計算しかできず、商品の管理や売上集計といった機能を備えていないため、非常に不便です。POSレジの場合、商品ごとの管理や売上集計などの便利な機能を備えており、さらに予約管理やスタッフの勤怠管理といった店舗を運営していくうえで役に立つ多くの機能を備えています。また、価格も安くなっており、レシートプリンタやキャッシュドロアといった周辺機器も一括してレンタルすることができます。ただし、無料でタブレットにアプリをインストールするタイプのPOSレジの場合、iPadやiPhoneなどのハードウェアは自分で購入する必要があり、故障した場合のメンテナンスや代替がきかないため注意が必要です。とくに飲食店の場合、油や水を使うことがになるため、耐久性の高いPOSレジを選ばなければなりません。レンタルPOSレジFreePOS(フリーポス)の場合、飲食店に特化した機能が備わっており、開業直後でもすぐに使い始めることができます。FreePOSについてはこちら。

券売機とはタッチパネル式券売機からボタン式の食券を発見するだけの簡単なものまでが含まれます。
券売機もボタン式の簡易的なものだと商品ごとの管理や売上集計機能は付いておらず、ボタン位置の入れ替えや金額の変更も業者に依頼しないと不可能な場合が多いです。タッチパネル式でパソコンからも商品の登録へ変更が可能なVALTECの場合、商品ごとの写真やコメントを表示でき、売上分析、英語・中国語での表示、注文と同時に厨房へキッチンディスプレイやキッチンプリンタを使って注文内容を伝えることも可能なため、ただ食券を発券するだけではなく、店舗の運営効率化と回転率の向上を行うことができるようになります。券売機VALTECについてはこちら。

(6)電話、インターネット回線費など

電話、インターネット回線費とは、お店に引く電話回線、インターネット回線利用料金、プロバイダ料金、電話購入、パソコン購入費用のことです。 一般的な電話としての利用だけであれば家庭用の電話機でも問題ありませんが、飲食店の予約受付を考えた場合、着信と同時にお客様の来店履歴やプロフィールがわかるとお客様への対応がスムーズになり、満足率も向上します。こういった電話と顧客情報を連動したシステムのことをCTIといいます。CTIを利用できる電話、顧客管理システムには「BeSHOKU(ビショク)」があります。BeSHOKUについて詳しくはこちら

(7)人材募集費

人材募集費とは、社員やアルバイトなど人材募集にかかる費用です。飲食業はとくに人材が集まりにくく、離職率も高いため、常時複数名いないと店舗運営ができない場合、あらかじめ人材募集にかかる広告費は高めに見積もっておかなければなりません。人材募集用のウェブメディアや求人雑誌で広告をかけた場合いくらかかるのかを事前に調査しておきましょう。

(8)広告宣伝費

広告宣伝費とは、オープン時にかける広告や販促費用のことです。開店にともなって作成するチラシやDM、インターネット広告、ホームページ作成、情報誌、グルメサイトなどへの掲載費用が含まれます。

(9)その他経費

その他経費はユニフォーム、メニューブック、ポイントカードなどの作成費用です。デザインなどをプロに任せる場合、印刷など作成費用とは別にデザイン費用などのコストも発生します。

③開業経費、運転資金

(1)開業経費

開業経費とは、税理士費用、法人を設立する場合は手数料や登録免許税、行政書士への依頼費用のことです。株式会社を設立する場合、紙の定款で登記を行うと、公証人手数料が5万円、定款印紙代が4万円、登録免許税が15万円の計24万円がかかります。電子認証定款の場合は印紙代がいらないため20万円で設立することができます。登記を行政書士に依頼すると報酬が数万円かかります。法人であっても、個人事業主であっても、税金の申告は必要になります。地域や売上高によっても変わりますが、税理士に依頼すると、月あたりの顧問料と1年に1度の決算書作成料がかかります。

(2)運転資金

運転資金とは、食材などの仕入費用、オープン前、研修時にかかる人件費、開業後2〜3ヶ月の余裕資金のことです。とくにオープン時には全ての食材の仕入が必要になるため、調達コストが多くかかります。そのため仕入額は多めに見積もっておく必要があります。

今回の記事では、飲食店開業時にかかる経費について説明いたしました。次回は各経費をどうやったら抑えることができるかについて紹介いたします。