飲食店を開業したい方必見!FCと個人経営のメリットを徹底分析

飲食店の開業・独立を考える場合、FC(フランチャイズ)にするか、個人経営でいくか、大きく分けて2ついずれかの方法があります。 オリジナルのメニューを提供したい、いままでどこにもなかった店を持ちたい、という場合には個人経営になりますが、とにかく飲食で稼ぎたい、オーナーとして店を持ちたい、という場合にはFCという選択肢もメリットがあります。
飲食業界にも、ラーメンなどの専門店、レストラン、居酒屋、カフェ、うどん・そばなど様々な業態があり、どれを選ぶかによって成功しやすいものがあることが、統計データによって見えてきます。
個人経営で店を持つにはどの業態が良いのか、FCならどこが狙い目か、今回のテーマでは紹介いたします。
飲食店を開業するならFCか個人経営か?

(1) 飲食店全体の売上高推移

飲食店全体では1980年から2015年にかけて売上高は伸びています。90年代後半から1時落ちたものの2012年あたりからは上昇傾向にあり、飲食業界そのものは堅調だといえます。しかし、日本全体の人口が減少していることを考えると、激しい競争による顧客の奪い合いになっているといえるでしょう。

飲食店全体の売上高推移

公益財団法人 食の安全・安心財団 平成27年外食産業規模推計値より

今度は業態別にしたグラフを見てみます。右軸はレストラン・食堂になります。 飲食店業態別グラフ
「食堂・レストラン」(ファミレス、一般食堂、専門料理店を含む)は、高い伸びを示しています。一方、「バー・キャバレー・ナイトクラブ」「居酒屋・ビヤホール」は1998年あたりをピークに売上高が大きく減少しています。アルコール類を提供する業態は苦戦していることが見てとれます。ハンバーガーのファーストフードを含む「その他飲食店」はここ2-3年で売上が減少。一方で「そば・うどん店」は伸びており、全体の中では低い位置にあるものの、売上高の総量に大きな変化がないものが「喫茶店」だといえます。

(2) FC(フランチャイズ)の売上高・店舗数・店舗あたり売上高の推移

次に、FCに限定して売上高の推移を見てみます。

FC(フランチャイズ)の売上高・店舗数・店舗あたり売上高の推移

一般社団法人 日本フランチャイズ協会(統計資料)

FCの場合も総売上高は全体と同じように推移しています。異なるところは、ファーストフードが緩やかに減少、反対にコーヒーショップ(喫茶店)が年々、伸びているというところです。 飲食店業態別グラフ

こちらは、FC店舗数です。
FC店舗数グラフ

ファーストフードは店舗数がほぼ減っていないわりに、総売上高が減少しています。また、一般レストランは売上、店舗数ともに緩やかに上昇居酒屋・パブは売上が落ちているわりには、1999年から店舗数はほぼ変わっていません。一方で、コーヒーショップの店舗数は少しずつですが、増えてきています。

業態ごとに売上高を店舗数で割った1店舗あたりの売上高は次のようになります。
売上高を店舗数で割った1店舗あたりの売上高

一般レストランの1店舗売上は2015年で8千8百万円で他の業態よりも高いのですが、年々明らかに減少しています。一方で、コーヒーショップは特に2012年から一気に伸びており、直近では7千1百万円で、一般レストランに次ぐ売上になっています。
つまり、FCに加盟するのであれば、コーヒーショップ(喫茶店)が一番儲かる、ということになります。
逆に、個人経営ではこの業態はかなり厳しいことになりそうです。
FCを使わずに開業、出店するのであれば、レストラン・専門飲食店が良さそうです。

(3) 喫茶店・カフェのFC出店に必要な資金

一般的にカフェをFCで出店すると、どのくらいの資金、準備金が必要なのでしょうか?
JFAフランチャイズガイドのHP記載によると、各ブランドごとに次の開資金がかかるようです。

「カフェ・ド・クリエ」
 開業資金目安:5,000万円(店舗物件の賃貸借契約内容によって異なる)
 ロイヤルティ:月間純売上の3.0%(税別)
 その他負担金:販売促進費 月間純売上の1.5%(税別)

「上島珈琲店」
 開業資金目安:5,000万円
 ロイヤルティ:売上高の2%
 その他負担金: 機器使用賃借料 8万円/月

「ドトールコーヒーショップ」
 開業資金目安:4,500万円(建物構造・面積によって異なる)
 ロイヤルティ:税抜き売上の 2%
 その他負担金:未定・・・店舗総合管理システム使用料の他、観葉植物及び絵画の賃貸料、店内BGMの受信料、店内清掃費等が生じます。(店舗により条件が異なります)、また、機器の保守契約を申し込んだ場合は、定額の保守料金が生じます。

「珈琲館」
 開業資金目安:3,000万円
 ロイヤルティ:3万円+(席数×200円)(消費税等別途)
 その他負担金:珈栄会費 1,000円/月、ネットワーク料17,700円/月(消費税等別途)

「珈琲専門店 MUC」
 開業資金目安:2,500万円
 ロイヤルティ:なし
 その他負担金:広告宣伝分担金 10万円/月

「珈琲所コメダ珈琲店」
 開業資金目安:9,800万円(ロードサイドに戸建ての店舗を開業した場合。契約形態よって異なる。)
 ロイヤルティ:当該店舗の客席数に対して、1席あたり月額1,500円(税別)
 その他負担金:POSシステム利用料(月額約44,000円[税別]※ご利用機器数により価格が変動します)の他、看板の賃貸料、店内BGMの受信料、店内清掃費等が生じます(店舗により条件が異なります)。

大手のカフェFCに加盟した場合、開業資金だけでも2千万円以上かかり、月々のロイヤルティや負担金が発生します。個人で有名ブランドのFCになるには、資金や店舗を構える土地を持っていない場合はかなりハードルが高そうです。

ただし、FCの場合必要な設備や備品、材料は用意してくれるため、店舗運営にのみ集中したり、多くの店舗をもつゆえの経営指導、スーパーバイザーからのアドバイスを受けることができます。また、先ほどの1店舗あたりの売上グラフでも見たように、開業資金が高いぶん、回収も早く済む可能性があります。

(4) 個人で飲食店を開業する場合の資金

カフェ、ラーメン、そば、レストランなど業態に関わらず、開業時に必要な資金はどこに出店するか、何が必要(設備・食器・インテリアなど)か、どんなお店にしたい(内装・工事など)かによって大きく変わってきます。
一例で、東京赤坂の居酒屋の例では、開業にかかった費用は次のようになっています。「飲食店.com」より

■店舗データ
開店日…2013年10月15日
店舗面積…17.0坪
客単価…3,500円
ターゲット層…近隣のオフィスに勤務する人々
月商…300万円

■開業資金
開業資金(総額)…約2,000万円
自己資金…約1,000万円
借入金…約1000万円

■開業資金の内訳
物件取得費:約400万円
設計施工費:約1160万円
厨房機器費:約100万円
備品・雑費:約100万円
 運転資金:約250万円

また、埼玉県さいたま市のカフェ(「飲食店.com」より)では、
■開業資金
建築デザイン費・施工費・・・370万円
 その他…130万円

自己資金…300万円
 借入金…200万円
 店舗面積…9.6坪
「飲食店.com」より
500万円でカフェをオープンしています。一般的には500〜1,000万円程度が相場のようです。

それでも、FC出店する場合の目安が2,000万円以上と考えると開業資金は半分以下。また、月々のロイヤルティも発生しないことから、固定費、支払いの面で見ると個人店のほうが開業しやすそうです。
そのぶん廃業率も高く、日経新聞(2013年2月19日付)によると”2012年の飲食業の倒産件数を従業員数別にみると10人未満の小規模店舗が全体の9割を占めた。業態別では食堂・レストランが48件で最多。専門料理店(33件)や酒場・ビアホール(32件)が続いた。”(一部抜粋)
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO51907400Z10C13A2L83000/

個人経営で小規模な店舗の場合、知名度や経営ノウハウの不足、競合の進出などあらゆるリスクが発生するため、「継続する」ことが最大のポイントとなります。
開業しやすいというメリットがある反面、自分でお店をいかに続けることができるか、を考えていかなければならなりません。

(5) まとめ

  1. FCで出店するならカフェが成功しやすい
  2. 個人で出店するなら競合が真似しずらい専門店
  3. 開業することが目標ではなく、継続することを考える
個人で開業資金を集めるには助成金・補助金を活用したり、自己資金や融資に頼らないクラウドファンディングも以前、紹介しました。個人経営なら、機動力やアイデアを活かした出店・ブランディングができます。
ただし、開業して店をもつことに満足することなく、常にPDCAサイクル(※今後詳しく紹介します)を繰り返し、改善を実施していくこと、またペルソナシートを使って、ターゲットとなるお客様像を把握していくことなど、マーケティングの知識や資金繰り、人材の雇用など様々な店舗運営に関して多くの努力が求められます。

FC経営は個人での経営に比べ楽とはいえませんが、すでに出来上がっているシステムを利用することで、ビジネスに集中しやすいといえます。とくに、これまで独立の経験がなく、初めて店舗をもつ、安定して稼ぎたいという場合にはこちらのほうがおすすめです。
さらに、FCといえども店舗の周辺環境は常に変わっているため、ある時期良くても、急に売上が落ちる、ということがあります。そのリスクを避けるため経営ノウハウをある程度身につけた段階で、多店舗展開も視野に入れることが重要になってきます。

次回は昼、夜別メニューの『二毛作』で原価を下げながら、集客に成功したお店の事例を紹介します。
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