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100円ショップ大手がPOSレジを多店舗管理に使う理由

100円ショップ・レジスター
100円ショップ業界2位の「セリア」が2016年4〜9月期の売上高を発表しました(株式会社セリア 財務ハイライト)。売上、営業利益とも過去最高を更新し、店舗数も直営・FC合わせて前年同期比プラス75店舗、で1,323店となっています。業界1位のザ・ダイソー(大創産業)創業者に「潰れるかもしれない」と思わせるほどの危機感を抱かせるほど急成長したセリア、その裏には「売れ筋死に筋関係なくとにかく商品数を多種多様化して、来店客を驚かせ続ける」という、100円ショップの常識を破った独自の方法があります。

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100円ショップ各社の比較


 100円ショップ「セリア」が他の競合と比べてどうなのか、まとめると次のようになります。次の表は2015年の各社の比較です。

  ザ・ダイソー セリア キャンドゥ ワッツ
店舗数 4,300店 1,248店 905店 1,043店
売上高 3,882億円 1,183億円 652億円 444億円
1店舗あたり売上高 約9,027万円 約9,479万円 約7,204万円 約4,256万円
経常利益 106億円 14億円 12億円
売上高経常利益率 8.99% 2.27% 2.84%

ザ・ダイソーが店舗数、売上高ともに圧倒的なのに対し、1店舗あたりの売上高と全体の経常利益ではセリアが圧倒的に大きくなっています。会社の儲けを表す「経常利益」が売上高に対して何パーセントあるかを示す「売上高経常利益率」でもセリアが8.99%と他社に大きく差を付けています。また、セリアの場合、1年間の販売個数を直営1店舗あたりで算出すると2009年3月期には78万個だったのが、2016年3月期には104万個に増え、1店舗あたりの販売力が上がっています。
大手スーパーがPB(プライベートブランド)の商品を揃え、低価格路線を拡大し、キャンドゥ(15年11月期)、ワッツ(16年8月期)とも直近では前年同期に比べ経常利益がマイナスとなっている中、セリアが勝ち続ける理由はどこにあるのでしょうか?

セリアの強さの秘密


 なぜ、セリアがこれだけ利益を出せるのか?その秘密はいち早くPOSシステムを取り入れ、独自の発注支援システムを構築したことにあります。
 POSシステムとはPOSレジスタ(POSレジ)と呼ばれる商品単位の販売集計機能をもったキャッシュレジスター本体とそれらをつなぐデータ集積用のサーバ、およびバーコードリーダー(バーコードスキャナ)、レシートプリンタ、キャッシュドロア、カードリーダなどの周辺機器を含めたシステム一式のことを指します。POSシステムの特徴としては、従来のレジスターではできなかったどの商品が「いつ」「いくらで」「どれだけ」売れたかを商品単位でリアルタイムに把握できることです。
 セリアは2004年に直営店と本部が即座に販売個数などを把握できるリアルタイムPOSを導入。当時ザ・ダイソーが商品を山積みにして、とにかくアイテムの多さで勝負し「100円ショップにPOSは要らない」という常識を疑い、POSを活用した独自支援システムを2006年に構築しました。セリアの「自律型仮説検証モデル」と呼ばれる発注支援システムは小売業で使われるPI値(商品が顧客1,000人あたりいくつ売れたか)を独自にアレンジしたSPI値を基にして商品構成を導きだしているようです。

セリアは、店舗・商品別と全店ベースのSPI値をリアルタイムに算出し、比較する。

ある商品が特定の店舗で売れていなければ、売り方を工夫することによって、売れる可能性があると判断する。そして、店舗ごとに理想の商品構成をはじき出し、発注業務を指示するのだ。そうした努力をしても売れない場合は、SPI値自体が低下していく。
出典:「100円ショップ「セリア」、強さの秘密」

上記から「SPI値」とは店舗ごとに各商品の販売数を1日の客数で割り、この数値を商品ごとに全店の平均支持率と比較。支持率が低い商品の取り扱いを停止。支持率が高い商品や類似商品の取り扱いを増やす。というものであると考えられます。

自動発注システムはこうした売れ筋商品と死に筋商品の仮説と検証を繰り返すことで学習効果が積み重なり、商品の回転率を早め、在庫コストを減らすことができるだけでなく、従業員が接客や店舗のレイアウト、商品の見せ方を工夫することに時間を避くことができるようになるわけです。

多店舗展開に欠かせないPOSレジシステム


 最近ではキャンドゥが2017年中にPOSなどの業務システムを約6億円をかけて刷新することが発表されました(日経MJ 16年11月23日)。直営の約650店全店と一部のフランチャイズ店を対象に刷新される予定で、需要予測の精度を上げ、店舗の稼ぐ力を高めることが狙いのようです。
 このようにPOSレジは多店舗展開を効率化し、売上を向上させるために欠かせないシステムとなっています。複数店舗を経営していく上でレジスターではなく、POSレジを選ぶメリットを以下にまとめてみます。

  1. 各店舗の売上状況を本部でリアルタイムに把握できる。
  2. 統一化したマスタを使うことができる。
  3. 在庫状況を一見管理することで不足・過剰分を他店舗に融通したり、売れ筋・死に筋商品を把握しやすくなる。
  4. 自店が満席の場合でも空きのある近隣の店舗に顧客を誘導しやすくなる。
  5. スタッフのシフト管理を組みやすくなる。

 セリアはPOSを活用して店舗の稼働状況を見ながら、近くの店舗どうしで人員を融通する仕組みを取り入れていて、1店あたり平均10人で動かすようにしているようです。飲食、小売など業種にかかわらず、利益を伸ばすために複数店舗を持つことは避けられません。いまは1店舗でも、将来的に複数店舗経営への移行をスムーズに行うためにもPOSレジに早いうちから慣れておくことも必要です。

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