受動喫煙対策は飲食店の売上に影響するか?

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを機に、飲食店やホテルなど施設内の受動喫煙防止対策を現状の努力義務からより厳しい敷地内禁煙とする動きが高まっているようです。厚生労働省では、2016年11月16日にが業界団体からヒアリングを実施、規制案に対しては喫煙室設置に費用がかかることから小規模店では設置できない、といった反対意見も出ているようです。
一方、欧米から観光客は「日本の飲食店ではタバコがまだ吸えるんだ」という驚きの声もあるようで、積極的に外国人客を取り込んでいきたい飲食店からすれば、分煙・禁煙対策をどうすればいいか、悩みどころです。そこで、いまからできる分煙対策と受動喫煙防止対策助成金について紹介いたします。
受動喫煙対策は飲食店の売上に影響するか?

なぜいま、受動喫煙が問題視されるのか?

厚労省の資料「受動喫煙防止対策の強化について(たたき台)」によると、「日本の受動喫煙防止対策を2020年を機にオリンピック開催国と同等の水準とするため、従来の努力義務よりも実効性の高い制度とし、スモークフリー元年を確実に実現するため」とあります。つまり、現状の日本は他の国と比べて受動喫煙に対して甘く、レベルを引き上げる必要があるということです。

スモークフリーとは?

資料の中でスモークフリーという言葉が出てきますが、意味としては、タバコの煙のない、タバコの煙から解放された環境のことを指します(SmokeFree.or.jpより)。日本では2003年に健康増進法が施行され、多数の者が利用する施設における受動喫煙防止措置が努力義務として課せられるようになりました。ただし、あくまで努力義務であって、規制ではないため、喫煙室を別に設けなければ罰則がある、というものではありません。

スモークフリーを実施している諸外国の状況

  • アメリカ…全米50州中の24州が職場、レストラン、バーで完全禁煙を実施しています。ハワイ州ではオフィスやレストラン、ショッピングセンター、空港、ホテルのロビー、通路など不特定多数が集まるほとんどの場所が禁煙となっています。
  • フランス…会社、商店、百貨店、劇場、公共交通機関、医療施設など建物内での禁煙が義務化。2008年からはレストランやカフェやカジノも禁煙になっています。
  • イギリス…パブ文化のあるイギリスでも会社、レストラン、パブ、クラブなどすべての建物内で禁煙に。
  • イタリア…レストラン、バール、ピッツェリアなど屋内・公共の場での喫煙が禁止に。四方が壁で囲まれた室内に一人あたり一秒間に30リットルの空気清浄ができる装置を備えた場所でのみ喫煙が可能になっています。
  • 香港…職場やレストラン、カラオケボックス、店舗、ショッピングセンター、市場などを含む公共的施設のすべての室内が禁煙の対象になっています。
  • 韓国…レストランを含む公共的施設では禁煙区域と喫煙区域が区分されていあす。ゲームセンター、貸本屋、150m2以上の一般飲食店では、営業面積のうち半分以上を禁煙区域に指定しなければならず、義務を怠った場合、施設管理者には最大300万ウォン(約39万円)の罰金が課せられます。
  • 中国本土…ホテル、レストラン、旅店、宿泊所、駐車場、喫茶店、バーなど屋内にある公共の場所が禁煙になっています。
  • シンガポールや台湾でも飲食店の室内は全面禁煙。注意を怠った場合には施設管理者には罰金が課せられます。シンガポールでは喫煙者にも罰金が課せられます。
このように、訪日需要が多い各国ではレストラン、バーを含む飲食店で禁煙が当たり前となっており、日本の飲食店内で喫煙が行われていることに驚くようです。
外国人観光客に満足してもらい、リピートにつなげるために禁煙対策は無視できないものになりそうです。もちろん、国内のお客様に対しても飲食店内を禁煙にすることはお店側の配慮として取り入れていなかければならない要素。しかし、懸念されるのは禁煙にすることによって売上が落ちるのではないか?ということ。とくに居酒屋やバーなどお酒を提供するお店にとっては禁煙に踏み切れない重要な問題です。

禁煙をすることで売上に影響が出るか?

ファミリーレストランやファーストフード店といった食事をメインに提供するお店では店内禁煙あるいは分煙が多くなっていますが、お酒中心の場合、店内を禁煙にすると売上が減少してしまうのではないか?という疑問に対して、実際にその違いを計測したレポートが公開されています。 「サービス業(バー・レストラン・ホテル等)を法律で完全禁煙にしても売り上げは減らなかった」
レポートによると、2004年12月からバー・レストラン・クラブ・カジノが全面禁煙となったニュージーランドでは全国の売上は、レストラン・カフェではそれまでの増加傾向を維持し、バー・クラブ、酒類小売は従来と同じレベルを維持しているという結果になっています。
禁煙法施行前後のニュージーランドのレストラン・バー4半期毎売上高(同レポートより)
禁煙法施行前後のニュージーランドのレストラン・バー4半期毎売上高(同レポートより)

また、日本国内の成人喫煙率は減少傾向にあり、平成元年には男性で平均55.3%であったものが平成26年では32.1%にまで減っています。
成人喫煙率
厚生労働省「国民栄養の現状」(国民栄養調査結果)より
今後の社会を見据えるとお酒を出す飲食店においても禁煙対策をとっておいたほうが良さそうです。

禁煙対策をこれから実施するには?

店内で禁煙環境もしくは分煙環境をつくるために費用がかかってしまうことがネックとなります。厚生労働省では、受動喫煙対策のため喫煙室の設置などに対し、一定の基準を満たした事業者に対して200万円を上限に助成金を受けることのできる制度を設けています。

受動喫煙防止対策助成金

受動喫煙防止対策助成金とは、小売業、サービス業などの中小企業主が一定の要件を満たす喫煙室の設置や屋外喫煙所の設置やそれ以外の換気措置等(宿泊業・飲食業のみ)に必要な経費の2分の一を200万円を上限として助成するというものです。詳しくは厚生労働省の「受動喫煙防止対策助成金」ページをご覧ください。

いまは、数名同じテーブルや個室内で食事をするときにも喫煙者が非喫煙者に配慮をすることが多くなっています。お店側が喫煙スペースを設置しておくことで吸う人、吸わない人双方に心地良い環境を提供することがまた来たいと感じていただける要素の一つになりそうです。
また、海外からの観光客にタバコの煙で不快な思いをさせないためにも禁煙環境や注文時の言葉の壁をなくすことが必要になってきます。

英語・中国語での表示に対応したタッチパネル券売機VALTECを設置しておくことで海外からの観光客でも迷わず簡単に注文を行うことができます。 券売機 英語表示画面
券売機 英語表示画面

券売機VALTECは禁煙対策と共に飲食店のインバウンド対策を支援しています。
このエントリーをはてなブックマークに追加