飲食店開業・集客に役立つペルソナの考え方

これから飲食店を開業したい、新規のお客様開拓のために新メニューを作りたい、でもどうやったら、お客様の興味を集めることができるのか? そのヒントになるのが、マーケティングでよく使われる「ペルソナ」という手法です。
「ペルソナ」とはターゲットとなるお客様の性別、年齢、住んでいる地域、趣味、職業、関心のあることなどを想像し、仮想の人物をつくることです。本ブログでは、ペルソナの作成のテンプレートシートを掲載しています。
これにより、お店が目指すべき方向性や新メニューがどんなお客様にとって最も喜んでもらえるか具体的に考えることができるようになります。
飲食店開業・集客に役立つペルソナの考え方

ターゲットは狭く、深く絞り込む

飲食業に関わらず、商品を販売する側にとって、多くの方に自社の商品を買ってほしいというのが共通の願いだと思います。ただし、「多く、広く」のということは、その商品が当たれば良いのですが、逆に「誰にとっても必要でない」ものの可能性があるわけです。
また、ターゲットを広くしすぎると、攻めるべきポイントが見つからず、認知されることすら困難になってしまいます。
そういった事態を防止するためにも事業を開始する前に「ペルソナ」を設定しておくことは重要なのです。
狙うべきターゲット像を絞ることで、宣伝方法やブランディングも含めた販売戦略に一貫性をもたせ、道筋をつくりやすくすることができます。また、無駄な広告コストを抑えることができるといったメリットも生まれます。

では、どうやって「ペルソナ」を考えれば良いのでしょうか?ステップ順に見ていきます。

STEP1 リサーチ、主要顧客の決定

メインとなりうるお客様の人物像を設定します。ここでの人物はお店のゴールと一致しなければなりません。例えば出店する場所や業態が決まっていて、どういったメニューでアプローチをするか?という設定でのケースを考えてみます。

立地:オフィス街(千代田区)
業態:ラーメン店
営業時間:11時〜24時
とした場合、来店されるお客様の層は20代〜60代の会社員です。
これでは広すぎるので、さらに絞ってみます。
周辺のお店をリサーチした結果、「豚骨」や「全国チェーン」のラーメン店が多い。昼時はライスや麺大盛りが無料になり、男性サラリーマンでどこも混んでいる。一方、女性はイタリアンやコンビニで買ったあと、公園で昼食をとっている。
夜は周辺に居酒屋が多いこともあり、男性が締めにラーメン店に寄っている、といったことがわかりました。

そこで、昼のメイン顧客層を女性OL、夜を男性サラリーマンに設定し、ペルソナを作成します。

※各画像をクリックすると拡大表示します。
ペルソナシート1

ペルソナシート2

※こちらのペルソナシート テンプレートは保存して自由に書き込んでください。
ペルソナシート3

STEP2 人物の特徴を設定

ここでは、昼と夜に分けてペルソナとなる人物を設定します。

昼:女性、(名前)木下 絵里子、(年齢)26、(職業)不動産仲介 事務職、(住所)中野区
(関心・興味のあること)
・食べログなどネットで飲食店を調べて、気になったお店があれば、遠くても休日に通っている。必ずレビューや写真はチェックし、本当に行く価値があるかどうかを決めている。自分でも行ったお店へのコメントや写真を必ず投稿する。
・本当に良かったお店があれば、FacebookやInstagramで共有している。自分の投稿にいいねが付くことが何より楽しみ。
・休みの日には好きなものを食べ、ストレスを発散しているが、普段はカロリー制限をして体型には気を使っている。
・運動はほとんどしていない。食べながら痩せられればいいと常に考えている。
・買い物でクーポンや割引があれば必ず利用する。気に入っているお店のメルマガやアプリでのお知らせは定期的にチェックしている。

夜:男性、(名前)大橋 英二、(年齢)45、(職業)製造 営業職、(住所)板橋区
(関心・興味のあること)
・中、高校生の子供を二人抱え、仕事の他に子供の進路のことでストレスを感じている。
いまのストレス発散方法は同僚との飲み会。
・若い頃は営業職のため毎日外回りでスリムだったが、現在はデスクワークが多く、太めになったことを気にしている。そのため、最近特保の飲料をコンビニでよく買うようになった。
・数年前にマイホームを購入したため、給料は返済などに回り、月1万円の小遣いをやりくりしなければならない。
・出勤時間が早いため、朝食は抜くことが多い。昼はチェーン系ラーメン店に行き、ランチセットを頼むことが多い。
・外食は決まった店にしか行かない。同僚や付き合いのある人からの誘いがあった場合だけ新しい店に行く。気に入れば通い続ける。

以上のように人物の特徴を作りあげていきます。特に「関心」や「興味のあること」さらには「休みのある日には何をしているか?」、「将来の目標は何か?」といったことまで掘り下げていくとより、人物像が具体的になっていきます。

STEP3 アプローチ方法の決定

ペルソナができたところで、どのようにしてアプローチしていくかを決めていきます。
この際に、5W2Hを元に考えていくと良いでしょう。

Who(誰に?)

先ほど決めたメインターゲットになります。まず、誰に対してのメニューや事業であるかを決めます。

When(いつ?)

集中すべき時間帯を決めます。木下さんに対しては、ランチタイム時の12時〜14時になります。大橋さんに対しては、夜20時〜22時になります。ただし、平日と休日、金曜日や休日前の日では時間帯によるお客様層が大きく変わることがあるので、注意が必要です。

Where(どこで?)

飲食店の場合、出店場所にあたります。今回の例ではオフィス街になっていますが、まだ出店前の準備段階では、どういったターゲットを主要な層にするかによって出店場所を決めていきます。

Where(どこで?)

出店場所になります。今回の例ではオフィス街になっていますが、まだ出店前の準備段階では、どういったターゲットを主要な層にするかによって出店場所を決めていきます。

What(何を?)

お店のメニューやサービス、商品になります。誰に対して最も喜ばれる、役に立つものであるのか、客観的に見ることができるように日々訓練しておきましょう。

Why(なぜ?)

どうしてその商品はお客様に必要なのか?を考えます。例えば、ダイエットを気にしている女性に対しては、高カロリーなメニューはNGです。つまり、一般的に脂っこいラーメンでは木下さんのような方にアピールしても関心を持たれにくい、ということになります。逆に大橋さんに対しては、脂っこいものでも、脂肪の吸収を抑えてくれる、というような特保系の飲み物を提供すると罪悪感なく選んでいただけることになります。

How(どのような方法で)

広告や宣伝方法、SNSを使うか、グルメサイト、口コミサイトを使うか、ホームページを立ち上げるか、といったことから、さらに拡散されやすいために、どういった方法を使うか?のようなプロモーションまでを考えます。
特に若い世代ではツイッターやFacebook、Instagram(インスタグラム)での写真が拡散されることで認知度が一気に高まることがあります。例えば新メニューを考えるときに写真で撮影したときの見栄えやネーミングを考えたり、キャンペーンを行う際にネットをどう利用するか、といった施策のヒントになります。

How much(価格)

お店の立地やメインの顧客層を考えた上での価格設定となります。原価がどうしても高くなってしまう場合は、販売価格も高くなりますが、それを納得していただけるお店づくりが重要になります。また、「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」のようにアイデア次第で高級食材でも安価に提供できる、といった差別化を行うこともできます。

中にはこんな方法で成功したプロジェクトも

クラウドファンディングで多くの注目と資金を集めた中には海外ですが、「ポテトサラダを作ります」(2014年)というものがあります。
ただ単にポテトサラダを作る、というものに6911名から5万5492ドル(1ドル=120円として600万円以上)を集めることができました。

プロジェクトの開設者ザック・ブラウン氏はプロの料理人ではなく、WEB制作会社「Base2」の経営者。全く無関係に思えるこのチャレンジがなぜ、こんなに成功したのでしょうか? 同氏が答えたいくつかのインタビューの中に成功へのヒントがありました。

STEP4 ターゲットの行動を基に販売戦略を立てる

木下さん(女性)のペルソナを基にした販売戦略を立てると次のようになります。
  • 昼時は女性が入りやすいようにランチメニューとして「春雨麺のトマトラーメン」を提供。
  • 入り口は中が明るく見やすいよう、一面ガラス張りに。
  • 複数名で来店しやすいようにテーブル席を多く設ける。
  • 券売機は昼と夜でメニューの表示をわけられるものを導入。
  • Facebook、Instagramでアカウントを開設し、写真を毎日載せる。
  • ウェブ検索で「低カロリー ラーメン 東京」で上位に表示されるようホームページで対策を打つ。

大橋さん(男性)を基にすると、
  • 夜は濃いめのメニューや、餃子、チャーハンなどのサイドメニューとアルコールをメインに販売。
  • メーカーに交渉し、特保のドリンクや糖分0のアルコールも販売する。
  • リピート率を高めるために時間限定で使えるドリンク1杯無料券などを発行する。
といった方法を考えることができます。

以上見てきたようにターゲットを絞ることで、どのような戦略を立てたら良いかが具体的になります。またあらかじめ目標を定めることで、上手くいかなかった場合にも何が良くなかったのか、次にどうすれば良いか対策が立てやすくなります。

券売機VALTECは、昼・夜のメニュー切り替えや写真の変更メニューごとの売り上げ集計が簡単に行えるため、販売戦略に基づいた運用が可能です。

詳しくは、「使い方ガイド 時間帯別切り替え機能」をご覧ください。

次回は「開業するなら自分でお店をもつこととフランチャイズどちらが得?」です。

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